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技工士という職業



 今日、この3ヶ月間当院で働いてくれた技工士のちばちゃんが退職します。そもそも、彼女は技工士という職業がとても好きで技工士として都内のラボ(技工所のことです)で働いていたのですが、帰りがいつも終電になる程の労働時間の長さだったので技工士として働き続けることを断念し、当院で助手として働くという選択をしたそうです。彼女はこの3ヶ月間当院でとても誠実に働いてくれ、多くの専門的知識を残してくれました。労働に対して、そして医療というものに対して高い倫理観を持っていたと思います。
 当時彼女と一緒に働いていた女性の技工士さんも数人いたそうですが、やはりその労働時間の長さからなのですが、みんな既に辞めて別の仕事に就いてしまったそうです。
 
 こんな理由があって歯科助手をしていた技工士のちばちゃんですが、やはり一度は情熱を傾けた技工士という仕事にもう一度戻ろうと決心したようです。私としても大変残念ですが、笑顔で送り出したいと思います。女性にとってはあまりにも厳しい業界かも知れませんが、応援しつつ、大変だったらいつでも戻っておいでと言ってあげたいです。

 前回のブログで技工士の問題にすこし触れましたが、今この国では20代の技工士さんの離職率が約80%です。つまり、せっかく3年も若い情熱を傾けて国家資格の専門技術を習得したというのに、労働環境の厳しさから10人のうち8人が20代で辞めてしまっているということです。これはあまりにも異常なことです。そして今や日本の技工士さんの平均年齢は50才です。この現実の意味している所は言うまでもなく、もう間もなく技工士さんが決定的に不足し始めるということです。もう患者さんの入れ歯や銀歯を作る人がいなくなってしまうということです。そうなると仕方がないので中国あたりに外注して技工物を輸入するしか無くなってしまいます。この安全性については私は極めて疑問があると思っていますが現実に実は既にかなりの中国製の技工物が出回っているということです。
 歯科界は、歯科医師ばかりが無計画に乱造され技術的低下が起こり、そのしわ寄せを食ってこのような事態が起こっているわけです。この責任は国にもありますが、歯科医師の乱造に対しても技工士減少に対しても責任ある毅然とした態度を取らなかった歯科界にもあります。このつけを支払わされるのは第一に患者さんであり、第二に歯科医療者です。私に出来ることはせめて当院の患者さんを守り、社会活動も出来る範囲でするということだけですが、現実の私は悲しいかなあまりにも無力です。

 今回は柔らかい話をする予定だったのに、GW前だというのにしっかりかたい話になっちゃいました。みなさまゴメンナサイ。せめてちばちゃんの写真(↑)でも見てなごんでください。
 ではでは、みなさま楽しいゴールデンウィークをお過ごしください。
 


富士見市 歯科 歯医者