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なぜ定期管理型の小児歯科を作ったのか?

 子供の虫歯はかわいそうなものです。自分の子供が泣き叫んでいるのを他の大人に押さえつけられて痛い思いをするようなことはみたいものではありません。

 私たちが 「おおつきっずデンタルランド」 という定期管理型小児予防歯科を作ったのは、丁度1年前、浜松と富山で同じようなコンセプトの歯医者を見学したからでした。うちのスタッフは異口同音に 「自分の子供だったら、絶体こういう所に連れてきたいです。ですから院長、こういうところを作りましょう。首都圏で最初に作りましょう!」 と言いました。
  
 私もそれは賛成でしたが、私の専門は歯周病(インプラントはその一部)、それに関連して咬合・補綴・矯正などです。小児は苦手ではありませんし昔はたくさん見ていましたが、最近は大人ばかりになっていたものですから、かなり戸惑いました。
 
 最も問題だったのは,「小児の予防はどうすれば良いのか?」という純粋に学術的な疑問でした。これに関する回答は、残念ながら日本のものよりも海外の文献の方がよく答えてくれました。なかでも [ Early Childhood Oral health ] という本は素晴らしく、子供の虫歯をどうすれば効率的に正しく予防できるかが書いてあったため、当院の教科書として英文でしたが全員で読むことにしました。

 欧米では小児を押さえつけて歯を削るという記述はありません。ほとんどあり得ないようです。その代わり全身麻酔でするようです。
 しかしそれ以上に 「定期管理予防」の重要性を半分以上のページを割いて述べていました。なぜならば、子供の治療というものは  “paramountly difficult ” (=大山のごとく子供の治療は困難である)とありました。また、 ショッキングなことではありますが、家庭でのブラッシングよりも 「定期管理予防」の方が圧倒的に(97%)予防効果が高いという統計が、またそれと同じような統計結果がたくさん出てきました。方法はこれしかないようです。
 つまり数ヶ月おきに必ず通い続けてもらって、しかし絶体に歯は削らず、削りたいという誘惑には医者は耐えて、PMTCとフッ素塗布ということを、歯科医院で永久歯になるまで続けるということなのです。

 なぜ日本では子供に対して定期管理予防があまり行われていないのでしょうか? 答えは簡単で、しかし残念なことですが、「保険点数が極めて低く、経営的に成り立ち得ない」ということなのです。しかし・・・・これは私自身子供を持つ親としては納得できません。この辺は小児科の不採算性と同じ構造です。医科では大きな病院の中で不採算でも小児科を存続させられても歯科は小規模診療所だらけなので不採算部門はできないのです。

  そして、この不採算を解消する方法は一つしかないのです。それは

 「大量に子供達に来てもらってなんとか低い保険点数でもやっていく」

ということです。もっともっと多くの子供達に来てもらわなければ・・・・・。でもそれはにぎやかで楽しいからかえって良いかも知れませんね。



 蛇足ですが、実はもう一つこれを成り立たせる方法があります。それは高い金額を保護者からもらうという方法です。しかしこれでは当院の 「虫歯のない子供を大量につくり、虫歯のない大人を作り、虫歯のない社会を作る 」 という理念に反し、一部の子供しか診られなくなります。

 この選択肢をとることはできる限り避けたいと思っています。なぜならば子供には親の経済力によって差別されるような罪はないからです。大人の治療以上に子供に対しては公益性の高い社会的使命があると考えています。


 ですから今後も当院は出来るだけ安く子供の定期管理予防をするつもりです。今よりもずっと多くの患者さんに来てもらって、楽しい思いを子供達にさせて虫歯の予防をしようと思います。



 これは学術的に確立された手法を用いれば可能だと言うことがわかっているのです。
  
 これを読んでいる皆様方のご協力を切にお願い致します。


 医療法人満月会 理事長   大月晃




富士見市 歯科 歯医者