院長ブログ
しつこいですが、何で小児なのか
つい先日、お医者さんが骨折した小児が暴れて治療ができないので全身麻酔を掛けたところ、死亡してしまったという話が出ていました。
歯科でも、この数年で2例、治療中に死亡しています。歯科医師に大きな瑕疵があったかどうかは明かではありませんが、治療中に子供が暴れれば押さえなければならないか、全身麻酔をするか、いずれにしてもリスクは大きい事は認識すべきだと思います。この例でもアナフィラキシーショックといって、麻酔薬でのアレルギー症状だったという話もありますが、ラバーダムをして暴れたのを押さえつけての窒息との説もあります。いずれにしても子供にすれば必死(まさに必死なはずです)だったことを思うと、残酷なことだと思います。
私は治療した先生方を責めるつもりはありません。問題が在ったかどうかもわからないのです。それよりも、こんな、子供という大人とは違う生体反応をしてしまう生き物を、歯科のような 「予防ができる疾患」 で、虫歯にしてしまうという、残酷なことをしていることに問題を感じます。
歯科疾患の予防方法は、1960年代にスウェーデンで大規模実験が行われ、方法は確立しており、良好な結果が実証されているのです。 定期的に来院する。こちらはプロとしての予防処置をする。それだけなのです。わかっているのに放置することは、専門家としては許されないことだと思っています。
お仕事がお忙しいなどで、子供につい間食をさせてしまう。疲れてしまって、磨くのも忘れてしまう。よくわかります。私の母親も教師でしたが、忙しかったのでしょう、私の姉などは乳歯は虫歯だらけでした。気にするよりも、専門家に相談して、効果的な予防方法を考えるべきです。解決策はあるものです。
大切な子供たちを、いつも笑顔でいさせてあげましょう。歯の痛みごときで苦しめることがないように、いっしょにがんばりましょう。