院長ブログ
いよいよ当院が移転します。
みなさまほんとうにお久しぶりです。院長の大月です。今まで長い間ブログの更新もせず、まことに申し訳ありませんでした。
さて、当院は、
「予防をベースとした高度で良質な医療で、地域住民を幸せにする」
という目標を2006年に掲げ、その後2009年に定期管理専門スペース「サロン」を開業し、その後2010年に小児の定期管理スペース「キッズ」と、目標達成の為にここまで進んで参りました。
歯科疾患の中でも、特にむし歯はとてもよく予防が出来ます。その医療上の証拠(エビデンス)に当院はこだわり、当院100人の患者でみても、6年予後で0.1カ所の新しいむし歯に抑えることが出来ています。これはほぼ論文通りの結果です。
歯周病については、予防はもう少し難しく、細菌の同定もまだ困難ですが、おそらくもう1、2ヶ月でそのことも可能になります。そうすれば歯周病の予防ももっと精度の高いものなることは間違いありません。
また、「歯並び」の問題も、筋機能訓練や、小児の頃からの指導で、少しでも悪い歯並びを予防しよう、というプログラムを行っています。これは昭和大学矯正学教室の監修を受けて実施しています。
というわけで、当院の予防も、随分高度になってきました。
そして、この度、ビルを移転するにあたり、ついに「高度で良質な医療」の実現が可能になりました。それが専門医制度です。
矯正、口腔外科、歯周病・インプラント、小児歯科、根管治療(マイクロエンド)、CAD/CAM(CEREC)、 これらに関しては、現在の第一級の専門医に来て頂くことが可能になりました。
いままでは、最高の治療があることが判っていても、また、それを受けたいという気持ちがあっても、なかなか受ける機会が無かった方が多いと思います。あるいはそんなものの存在すら知らない人も多いかもしれません。
これからは、それが可能ですし、少なくとも説明を受けて、その治療を受けるかどうかを考えることが出来ます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここで、話を、始めの「予防をベースとする」というところに戻します。
お気づきかもしれませんが、上記の専門治療は、治療費が高額になる場合が殆どです。それでも長い目で考えて、ご自分の健康を真剣に考えれば、非常に大きな意義があるものです。
しかし、重要なことは判ってはいるけど、やっぱり高くて出来ない、そういう人が非常に多いことは良く分かっています。それもまた仕方が無いことです。
しかし、だからこそ「予防」なのです。予防の方がはるかに簡単だし、安上がりだし、こういう高額な治療は受けられないからこそ、だからこそ未然に病気を防ぐ為に、最大限の努力を払うべきなのです。
では、その、病気を未然に防ぐための予防はいつからやるか?それは出来るだけ若い頃からがよいのです。
「1歳になる前から管理すること」(American Academy of Pediatrics Dentistry, American Dental Association)であり、その子供の予防とは、子供が自分で予防行動をとれるわけではないのですから、保護者の予防意識を向上させるということになります。
そうすると、「母親」の口腔の病原性菌を減少させることが重要となります。
もう一歩進めてお話をさせてください。これが最後です。その母親の口腔内の細菌を考えると、ご主人、他のご家族の口腔細菌も改善させることが必要なのです。同じ料理をつついているだけでも、すでに家族というのは、細菌の共有体なのです。
ここまでの話でお判り頂けたでしょうか。歯科において予防するということは、穴を埋めたり歯周ポケットを治すことではありません。
穴があく前に、ポケットが出来る前に、「細菌と戦う」ということなのです。われわれはいつも、目に見えない細菌を見ています。
というわけで、今回は、当院のめざすものについて、でした。