虫歯のない永久歯列は親から子への最高のプレゼント
小児歯科の実際


当院は、子供の歯も、「虫歯ができるのを待って削ってつめる」という従来型の歯科治療に疑問を感じていますが、現実には虫歯ができてからでないとお子さんをお連れにならないお母様が多いのは残念なことです。当院の問題としてもなかなか予約が取りづらかったりなどこちらの責任もあるのですが、何とかしなければいけない問題です。前述したように、予防はできるのですから、なんとか定期的なリコールにおいでになるようお勧めします。虫歯のない永久歯列を子供にプレゼントできれば、これは子供へのなによりのおくりものです。

また、子供を力で押さえつけるような無理な治療は子供の心に歯科恐怖症という深刻な心的トラウマを残す可能性があるため例外的な場合を除いておこないません。しかしこのためにも、虫歯は小さいうちにつれてきてください。小さい虫歯は90%以上麻酔なしで、痛くなく治療できます。そして定期的に歯科衛生士さんと仲良くブラッシングしてください。歯科医師が一切治療せず、歯科衛生士が子供とかかわるのみで虫歯を制圧するのが最善です。

中学校くらいまで永久歯の虫歯を一本もない状態にできれば、一生歯を失わない可能性が格段にあがります。一度削った歯の寿命は約50年といわれていることを覚えておいてください。6歳で永久歯に傷を付ければ中年期には抜けてしまうということなのです。 また、下の図をご覧ください。虫歯になりやすいのは圧倒的に子供の頃で、この頃一度歯を削ってしまうと、後は何度も歯医者でやり直し削り直しとなってしまうのです。子供の頃の予防がきわめて重要であることがわかります。また、この図からは子供のことではありませんが老人になると再び虫歯になりやすくなることがわかります。


1.始めはこわがって治療できない子供がほとんど。
まずは衛生士さんがトレーニングをします。これはハブラシをもってもらったり、エアーやバキュームの練習のみです。ほとんどのお子さんが1回から多くても2回で治療できるようになります。

2.次にハブラシの指導。
お母さんによる仕上げ磨きのチェック。これがとても大切。

3.そろそろ慣れてきたら男の先生が治療。
今は、機械も進歩してきましたので90%以上の虫歯は麻酔の注射もしませんし、ほとんど痛くありません。10分もあれば治療は終わってしまいます。

4.定期管理。
これが最も重要です。3〜6ヶ月に1回必ずおいでください。ブラッシング指導(母親も含めて)、プロによるクリーニング、歯の表面 の薄膜(バイオフィルム)除去後にフッ素塗布。などです。これらの処置によって口腔内の虫歯菌を減少させ、そのきれいな口腔内に永久歯が萌出できるようにすべきです。それによって永久歯が虫歯になる確立を大きく下げられます。また永久歯は萌出した直後がもっとも柔らかく虫歯になりやすいですが、同時にフッ素も良く滲みこみます。これらだけで圧倒的に虫歯を減らせるというのが現実です。

5.虫歯のなりやすさは人それぞれ全く違います。
虫歯は複合した要因で起こります。この虫歯を引き起こす要因が、この子供にとっては何なのかを調べるために、サリバテストという唾液から細菌などを採取する検査をすることをお勧めします。この子供の虫歯の原因はブラッシングなのか、細菌なのか、唾液の問題なのか、フッ素の不足なのか、親の努力不足なのか、これらをまずしっかりと認識することから効果 的な予防対策が組まれます。 下の図はサリバテストなどの検査結果 から考えられる予防法のグラフです。唾液、緩衝能力、細菌数、食事回数、食事内容、フッ素の常用の有無などがパラメーターになっています。



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